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しばらくしたら、光が収まった。見えるようになった世界には、まだ、ウルフに乗った精霊がいた。お父様は、私達の方に寄っていた。
「ファノーラ!何をしたんだ!危ないだろうが!」
「だって…… 可愛そうだったんだもん。」
「可愛そうだっただと! 命を狙われたんだぞ!」
確かに、そうだ。いくら精霊がいたとしても、敵対している精霊がいるかもしれない……… それでも、精霊は、綺麗な心を持っているはず!!
私は、精霊に目を向ける。そして、すぐに精霊と目が合った。
「やはり、あなたは、俺が見えるのか!なら、この争いは、終わりだな!」
「ねぇ、精霊さん。私のそばに来て」
精霊は、すぐにウルフを私の隣に動かした。
「ファノーラ、どゆうことだ?」
「お父様、元々このウルフには、精霊が乗っていたんだよ。そして、この争いは、もう終わりだよ」
「どうしてなんだい?ファノーラ」
ずっと、私とお父様の話を端っこで聞いてたお兄ちゃんが問いかけた。
「精霊さんが、そう言ってたから」
お父様とお兄ちゃんは、何処か心配そうに私を見た。
((ファノーラは、人や精霊が言った事全てを信じそうだ………))
私は、何で見られたのか分からずに、首を傾げた。
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