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次の日からお父さんも出来るだけお見舞いに来るようになった。
いつもは、本を読んでるけど、私は、前よりも元気が無く弱っていて本を読む事も出来ない。
お母さんもお父さんもそんな私を励ますように話しかける。
「奏、今日は、いつもより元気か?」
「うん、たぶん…元気だよ…ゴホッゴホッ」
「大丈夫、奏?」
「ご両親、少しいいですか?」
お医者さんが、多分私について何か話すのだろう。やっぱり、もう少しで死ぬのかな…… もし、本のように魔法が使えたら……もし、精霊が居て私に魔法をかけたら……
1人になると不安が込み上げてくる。
出来る訳のない事を必死願って、私は不安を忘れようとした。
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