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実樹がかすかに微笑んだのを見て、あたしの想いは堰を切った。
「そうじゃないっ!! どうしてわかってくれないの!? あたしが……こんなに……こんなに! ずっと! 棄ててしまいたいと思っていたのに……っ!!」
コツコツコツと急ぐ靴音。
ドアがガラッと開く。
「ちょっと! あーちゃんどうしたの!? 廊下まで大声聞こえてるわよ!?」
缶コーヒーとハードグミを持ったみっくんママが慌てて部屋に入ってきた。
「え……っ、何? あんた達ケンカしたの!?」
「…………ごめん。帰る」
あたしはぼろぼろとこぼれる涙を拭くこともせず、バッグを持って病室を飛び出した。
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