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「このまま進めば、もうすぐ着くから。たっちゃん、スマホ……持ってきてる?」
「あ? ああ、あるけど。何だよ? どっかに電話するのか?」
「……ううん。ごめんね、迷惑かけちゃって」
「…………?」
言われている意味がわからず戸惑うオレをよそに、元カノはスッと前方を指差した。
「あそこ。カーブの所まで行ってくれれば、わかると思う。……来てくれてありがとう」
「カーブ?」
言われて、ライトをハイビームに切り替えると確かに急カーブが確認できた。
何でこんな中途半端な場所へ来たがってたんだ?
不審に思いながらも、そのままカーブへ差し掛かった瞬間――。
「うわぁ! ……と、何だこりゃ?」
オレは慌てて急ブレーキを踏み、車を停止させた。
カーブを曲がってすぐの所に、一台の車が横転し道を塞いでいた。
「事故か? おい、大丈夫だったか? いきなりブレーキかけたから驚いただろ?」
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