Writers ー翡翠の書ー

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【C月K日 何故か王様に呼ばれた。なんだろうと思って行くと、翡翠の書を見せてほしいとのこと。まあそのくらいならと思って見せた。 「え、何この魔法?」 「それは突風起こすやつですね。城壁程度なら余裕で吹き飛ばせます。」 「危険すぎない?」 「まあ危険ですね。」 「封印しない?悪用されても嫌なんだが。」 「いいですよ。」】 「かっる!そんな『お昼ご飯食べない?』みたいなノリで納得したの!?」 【C月Z日 魔導師仲間と飲み会。みんな本を封印されたらしい。まあやばい魔法いくつか書いちゃったし、それはそれで封印されるほどすごい魔法作ったっていうステータスになるから、全員喜んでた。だって本の中身は写してあるからね。自分の魔法なんだからそりゃ残すよ。】 「あー………うん、まあ、それは………仕方ない………か。元々は魔法まとめみたいなものなのだものね………。」 【P月M日 何だろう、違和感を感じる。何かとんでもない勘違いをしている気がする。いや、忘れている?友人に話しても気のせいだと言われたが、やはり何かを忘れている気がする。】 【P月W日 ようやくわかった。忘れていたのは術式だ。翡翠の書に写した術式がいくつか間違っている。メモ通りに試したら発動するはずの効果は発動せず、大爆発が起こった。他の術式も試さなければ。】 「………………え?」  魔導書の魔法が間違っている、確かにここにはそう書かれていた。  その後の日記には間違っている魔法はごく一部だが、使うと自爆に等しい被害が出ること、その事を直談判したが拒否されたことが書かれていた。 「そっか………そうだったんだ………。」  誤植を直したいのは著者として普通の事だ。彼はただ、自分の間違いを正したかったのだ。 「………………ま、今回は見逃すとしましょうか。」  私がそう言った瞬間、私は上へと引っ張られた。
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