第2章 浴衣

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花火大会当日になった。 私と姫璃は浴衣を着て駅で待っていると、魔夜が走って私たちの方に向かってきた。 「そんなに急いでどしたの? まだ待ち合わせより早いのに」 「ハァハァ……。あのねっ。聞きたいことあって……。萌衣、あんた彼氏はどうしたの。そして、あんた本人もどこに行ったの」 魔夜はよくわからないことを聞いてくる。 姫璃も隣で何言ってるの? みたいな顔をしている。 「魔夜、何言ってるの。私はここにいるじゃん。彼氏は今頃仕事だよ」 私は嘘一つつかないで本当のことを話す。 「じゃあ、聞くけど、今日何日? 」 今日は、確か。 「8月1日でしょ」 姫璃は顔色を変えた。 「萌衣。あんた忘れたの? その日はあんたとあんたの彼氏が離れ離れになった日でしょ」 「萌衣ちゃん、忘れちゃダメな日だよ。僕の彼氏も萌衣ちゃんの彼氏も何者かに殺されたんだよ。犯人探してるんでしょ? 私たち3人で犯人見つけ出すって話したでしょ? 」 うあーーーーーーーー。 あーーーーーーーー。 忘れてた。 忘れたんだ。 辛いから。 苦しいから。
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