4人が本棚に入れています
本棚に追加
花火大会当日になった。
私と姫璃は浴衣を着て駅で待っていると、魔夜が走って私たちの方に向かってきた。
「そんなに急いでどしたの? まだ待ち合わせより早いのに」
「ハァハァ……。あのねっ。聞きたいことあって……。萌衣、あんた彼氏はどうしたの。そして、あんた本人もどこに行ったの」
魔夜はよくわからないことを聞いてくる。
姫璃も隣で何言ってるの?
みたいな顔をしている。
「魔夜、何言ってるの。私はここにいるじゃん。彼氏は今頃仕事だよ」
私は嘘一つつかないで本当のことを話す。
「じゃあ、聞くけど、今日何日? 」
今日は、確か。
「8月1日でしょ」
姫璃は顔色を変えた。
「萌衣。あんた忘れたの? その日はあんたとあんたの彼氏が離れ離れになった日でしょ」
「萌衣ちゃん、忘れちゃダメな日だよ。僕の彼氏も萌衣ちゃんの彼氏も何者かに殺されたんだよ。犯人探してるんでしょ? 私たち3人で犯人見つけ出すって話したでしょ? 」
うあーーーーーーーー。
あーーーーーーーー。
忘れてた。
忘れたんだ。
辛いから。
苦しいから。
最初のコメントを投稿しよう!