姫と夏の思い出を作りたい。

第1章 プール

まあ、ちゃんと空気入れて、2人の浮き輪にも空気を入れ終わり更衣室から出たのでそろそろ普通に話す。
「更衣室を出たけど、忘れ物ない？ 私がコインケース持ってるから2人は浮き輪だけ持ってればいいんだけどさ」
「んー！ いっぱい人いるねぇ。特にスライダーの方が！ 」
「だね? スライダー乗るとか言わないよね？ 姫」
こいつらはテンションが上がるの私の話を聞かないのがお約束。
「とりあえず、2人とも写真取るぞー。 はい、そこに並べ。そしてポーズをとるのだ」
私は写らない。
だって、写真には写らないから。
写れないから。
「はい、cheese！ 」

この日の思い出は一生残るだろうなぁ。
そう思いながら私は2人の背中を押して、流れるプールに向かった。