だっ、旦那様が居ませんっ

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   夜中にカタッと音がして、玄関に近い部屋に前回、ロールスロイスで運んでいた布団を敷いて寝ていた鈴は目を覚ました。 「尊さんっ?」 と起き上がる。  尊が帰ってきたのかと思ったのだ。  だが、ぽすが部屋の隅にある尊のキャリーバッグから飛び降りただけだった。 「なんだ……」 と呟き、もう一度、横になる。  部屋にはカーテンもなかった。  尊さん、カーテン買いに行く暇もなかったんだな。  なのに、わざわざ結婚式に来てもらって悪かったな、と、 「いや、俺の結婚式だろ」 と突っ込まれそうなことを思う。
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