思えば、このときが一番、平和だったかも……

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 和音さんですか?  泉美さんですか?  誰が私のお義母さんなんですか?  なんだかこの人たちの方が、数志さんや、武田執事長より、忍者っぽいが。  誰が本物なのか、幻惑されてわからない。  もうほとんど落ちている夕日を見ながら、そんなことを思い出していた鈴に、尊が言ってきた。 「なんか、あまり食べられなかったから、腹減ったな」 「そうですね」 と言うと、 「何処か定食屋か道の駅にでも入るか。  なにかこう、がっつりとしたコメのようなものが食いたい」 と呟く尊に、 「わかります……」 と鈴は苦笑いして言った。  ホテルでの立食パーティは洒落た料理ばかりでよかったのだが。  ドレスなどを汚さずに食べられるようにとか、少しずついろんな種類が食べられるようにとかいう理由からだろうが。  すべて洋食で、小さく切り分けてあって、なんというか。  今、猛烈に、コメと味噌汁をがっつり食べたい気持ちだった。
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