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優子は、オレンジジュースにささったストローをぐるぐるとかき回しながら言った。
「まあ、向こうは私が既婚なのは知ってるから、どうにもならないよ。好きって言いたいのに言えないのが、もどかしいんだ。恋愛のような好きにも似てて、余計に言いづらくてさ」
へへっと優子はまた笑った。
「ねえ、この気持ちはどうしたらいいんだろう」
ああ、残酷だな。私は、優子を見つめながら考えた。
可愛らしい私の親友。
「親友にしたらいいんじゃない?親友なら恋愛的な付き合いはない。友達の中でも親友は特別だし、別れることもない」
私がそうしているように。
私ではなく、旦那を選んだ優子。そばにいたくて、気持ちを伝えないまま私は親友でいる。
「そっかー!!頭いいね!!」
優子が、それは名案だとはしゃいでいる。
私の気持ちに気づくことはないだろう。いや、気づかれてはいけない。
「そういえば、相手はどんな人なの?大勢ってことは、大規模なオフ会?」
「うん、○○って名前でねー、来週末新宿である大規模オフ会で会うの。すっごく楽しみ」
目眩がした。
○○は、私のハンドルネームだ。来週末の新宿のオフ会は私も参加する。
さて、どうしたものか…
私は、苦笑いするしかなかった。
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