夕暮れ時の夏の帰り道

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仕事を終えて帰り道、みなとみらい線の元町中華街駅を出て、港の見える丘公園に向かう。 急坂に情けなくもすぐに息が上がってしまった。 夏の湿気に汗も加わり、ワイシャツの下に着ているTシャツが素肌に張り付く。 ワイシャツのボタンを一つ開け、休憩がてら後ろを振り返る。 マリンタワーがぼんやりと青く光っていた。 それを確認すると、また足を進めた。 湿気さえなければこんなに不快な思いもしなければ、マリンタワーのライトアップも冬のようにクリアに見えるのにと思いながら。 港の見える丘公園には、バーベキューのできるレストランがあり、横を通ると焦げ付いた肉と油の匂いと乾杯の掛け声が聞こえる。 どうして暑いのにわざわざ外で、しかも火を焚いて食事などするのかと不思議に思い、友人のキョウコに聞いた事がある。 「それが楽しいんじゃない」 何が楽しいのか今だに理解できない。 ベイブリッジを左手に臨みながら、港の見える丘公園から自宅マンションへ向かう階段を下る。 上司に言われた嫌味や、後輩への不満、顧客から感謝された事など、今日あった様々な事が頭の中でごちゃ混ぜに渦巻いてきて、「頑張ろう」「逃げ出したい」「生きていこう」とか呟きながら、階段をゆっくりと下る。
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