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プロローグ
「そこまでだ、ゴーダムさん。おやめなさい」
僕は叫んだ。
黄色い卓上ランプに照らし出された寝室。天蓋つきの寝台の上で、少女から衣服をむしり取るのに夢中になっていた半裸の男が、振り返り、驚きの表情を浮かべた。
「だ、誰だ、貴様。どうやって入ってきた……!?」
この太った初老の男はガンツ・ゴーダム。バンディアスタラー管区最大の炭鉱を三つも所有している鉱山主で、この地方で最も裕福で最も権力のある人物のひとりだ。それだけのことはあって、何十人もの私兵に警護された大邸宅に住んでいる。この寝室も、まるで都の貴族の屋敷のように、黄金と絹をふんだんに使った豪奢な一室だ。
僕は思いきって寝室内に歩み入った。分厚い絨毯が足音を完全に吸い取った。
ゴーダムは太った男にしては意外なほど素早くベッドから下り、僕を睨みすえたまま横歩きで移動した。腹回りにはみ出した白い脂肪が揺れた。手を伸ばして、壁に飾ってあった剣を取ると、鞘から抜き放って油断なく構えた。
「貴様……盗賊か。金が狙いか」
「違います」
「それでは、この女の身内か何かか。女を奪い返しに来たのか」
「違います。この人を助けに来たのは確かですが」
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