黒い浮遊霊

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 俺はこのままずっと幽霊なのか、犯人がつかまるまでなのか、それとももう気がすんだからすぐにでも消えるのか、わからないので母さんに会っておこうと思った。  俺に気づかないだろうが、とにかくあやまりたかった。母さんを一人にしてしまうことを。  俺は幽霊のくせに、窓や壁を通り越すことができないので、昼間は鍵をかけていない風呂場の窓から家に入った。そうだ、この不用心な窓のことも注意しておかなければ。 (どうやって伝えようか)  幽霊の俺は堂々と母さんの前に飛び出した。  最後に母さんを抱きしめるんだ。幽霊だから恥ずかしくないぞ。  なんと、母さんは俺の存在に気づいて抱きしめてなでてくれた。さすが母さん。 「どこ行ってたの? クロちゃん」 (ゴロゴロゴロゴロ…)
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