第1話 枕元に彼が立つ

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「良き、人生であった」  そう穏やかに笑う彼の人生は、たった一言ではすまされないほど、波乱の人生であった。  だが、我が子や彼を慕う武将達に囲まれた彼は穏やかな笑顔を浮かべ、そう述べたのである。  彼の名は、千葉介常胤(つねたね)  動乱の時代を生きた、鎌倉幕府設立の立役者であった彼の人生が、今日、建仁元年3月24日、終わりの時を迎えた。
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