クマと恋愛してみた結果

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クマと恋愛してみた結果

 私が彼と付き合い始めて分かった事が幾つかある。私がいつも「クマ」って呼んでる彼について分かった事。 「のんちゃん、あまりそっち歩いたら危ないよ?」 「だからって持ち上げちゃうの?」 「ちゃうの」 「……そっかぁ」  クマは、いつも私を歩道側に置いて歩いてくれる。それだけなら何処にでも居る普通に良い彼氏なのだろうが、私はいつも彼に態々持ち上げられてしまうのだ。私の身長は小さくて150弱。けど彼は195という長身さん。身体も熊の様に大きくて、私なんて人形の様に軽いっていつも言われてしまうのだ。  そんな彼は剣道部。高校2年生だけど、既に2回全国優勝している。凄い。そんな彼の腕に抱えられてると、まるで重機に乗っている様な安心感があった。 「わ、私……今日は手作り頑張った」 「おお、それは楽しみ♪」 「うん……」  クマと私が出会った切っ掛けは、家庭科の授業で予めある食材から自由に料理を作るという内容で一緒の班になった時だ。彼は父に習ったというイタリアンパスタを作ると、余った食材で一品二品とパパっと作り振舞っていたのだ。  正直に言おう、とても美味しかった。私はその時に彼が気になり始めてしまって、衝動的に料理を教えて欲しいと言ったら快諾された。それからは休日に食材を買って彼の家に行く様になっていた。  彼のお父さんはカフェの個人経営で、そこそこ売れていると言われた。ああなるほど、だからそんなに作るのが上手いんだね、と思ったけど。けどそれなら、何で剣道部?と思って聞いてみたら、 「えっとね。僕は身体が大きいだろ?だから結構人を怖がらせちゃう事が多いんだ。文科系だとどうしてもそうなるから、ならこの体格を活かせる事をしようと思って」 「それで剣道?」 「何でも良かったんだ。父さんも尊重してくれたし。結果的に身体はそのまんまで屈強になっちゃったけどね……」  だとしても、私には王子様である。
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