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小学校の林間学校に行ったとき、先生がしてくれた話。
先生にはマユミちゃんという娘さんがいて、その娘さんがまだ二、三才の頃、お気に入りの遊びがあったそうです。
『もしもしごっこ』といって、要は何かを受話器に見立てて、お話しするふりをする遊びです。
先生の家には、昔使っていたダイヤル式の赤い電話機があって、娘さんはよくそれをおもちゃにしていました。
もう古くって使っていませんでしたから、もちろんどこにも繋がってはいません。
娘さんは、ジーコジーコと適当にダイヤルを回して、受話器を耳に当てて「もしもーし」。
そのまま「あのねー、マユねー」とおしゃべりしたり、何かを真剣に聞くふりをしながら「うん、うん」「あー、しょうねぇー」なんて相づちを打つ真似をしていたそうです。
遊びには時々先生を巻き込んで、「しょうしょうおまちくらしゃい」なんて気取って言いながら、受話器を先生に渡してくるので、先生は「はい、お電話かわりましたー」と言って、適当に二言三言話すふりをしました。
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