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「じゃ、明日にでも行ってみるか」
ここまで付き合ったんだから、最後まで面倒見てやるよと、良友が言ってくれた言葉に甘え、俺達は翌日、番組からの返信メールに書いてあった中継地点を目指すことになった。
時間帯はもちろん朝。
同じ時間、同じ場所。
いつもより一時間早めに目覚ましをかけ、俺達は意気揚々とその場所に向かった。
***
街中からはちょっと離れた静かな公園の中。
そこは、特に目新しい何かがあるってわけでもないけど、何本か植えられている桜の木が立派な場所だった。もしかしたらそれが画面映えするからって理由で、ここが中継地点に選ばれたのかもしれない。
「どうだ。いそうか?」
「うーん」
公園には犬の散歩をしているご婦人とか、ジョギングをしているおじいさんをちらほら見かけるだけで、ほかには誰もいないみたいだ。
「時間は?」
「もうそろそろかな」
いつもお天気中継が始まる時間になった。
さすがにロボットじゃあるまいし、そいつがその時間ぴったりにやってくるとは思えないけど、それでも俺は僅かの期待を込めて、ちょうど昨日の朝、テレビ画面で見た景色と同じアングルになる場所に立った。
すると。
「……来た」
「え? マジ?」
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