だぶる

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 本当に来た。間違いない。  たぶん昨日と同じパーカーを着て、ジョギングをしながらやってきたそいつは、その桜の木の下で止まり、身体をほぐし始めた。 「どれ?」 「ほら、あいつ。あの緑のパーカー着てる奴」 「ああ、あれ……って、え!?」  俺の隣で悪友が絶句した。 「どうした?」 「ど……どうし…って……お前……あいつ……」 「?」  何故か悪友の顔色が真っ青になっている。いったいどうしたんだろう。 「なに? そんな有名な奴だったのか?」  どうせ俺は有名人にうといですよ。 「違う違う、そんなんじゃない。ってか、どういうことだよ、これは」
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