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「見覚えあるもないも、あの顔、まんまお前じゃんか。そっくりとか言うのすら恥ずかしいわ」
「…………?」
言われて俺は改めてマジマジと桜の木の下にいるそいつに目を向けた。
中肉中背。
めちゃくちゃ格好良くもなければ、不細工というわけでもない。
服装だってどっかのデパートや駅中の安い吊るしものっぽくて。たぶん俺も色違いで持ってそうなパーカーにTシャツ。
ってか俺も持ってる。
「……あ」
そしてその顔も。
俺も持ってる。
目も鼻も口も髪型も服装すら。
見間違いようがないくらい、俺と同じ。
それは、俺も持ってる、俺の顔だった。
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