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にしても、いったいあれは誰なんだろう。
どうも引っ掛かる。
なんか気になる。
絶対見覚えがあるんだよ。
どこで見たんだっけ。
「ってか、それが今日遅刻しかけた理由?」
おもいきり俺の机に肘をついて悪友が呆れた声をだした。
「悪いかよ。絶対知ってる顔だって思ったら、気になって気になってしかたなくなっちまったんだよ」
「見覚えのある顔ねえ……ってか、それ、結局誰だったんだよ。ドラマに出てる奴? それともお笑い?」
「かもしれないんだけど、まだ思いだせなくてさ」
「なんだ、まだ思いだせてないんだ。どんだけ記憶力欠乏してんだよ、お前」
悪友は呆れた表情のまま天井に目を向けた。
「んなこと言ってもしかたねえだろ。ちらっと一瞬見ただけだし、向こうはすぐ目を逸らせちまったし。今朝の天気予報の中継だったんだけど……お前、見てない?」
「どーだろ。何チャンネル?」
「えーっと、どこのチャンネルだっけ……ほら、あの、目のでかい睫毛バシバシのお天気お姉さんがやってるやつ」
「あぁ、だったら見てないや。俺、男の気象予報士がやってる天気予報が好きだから。ほら、一緒にクイズやるやつ。朝はそのチャンネルしか見ないんだ。お前もそうだったんじゃなかったっけ」
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