だぶる

7/17
前へ
/18ページ
次へ
「ってことは役者やタレントの方向からは外れてんじゃねえか? なんかオーラのかけらもなさそうだ」 「じゃあ、誰なんだよ」 「あ、もしかしたら小学校とか中学校とかの知り合いじゃね?」 「おおー!」  その線はありかもしれない。  だったら、それこそ俺が見覚えあるなあと思ったのも、テレビカメラに気付いたとたんに目を逸らしたことも、全部筋が通るじゃねえか。 「それそれ。絶対それだ! ……あ」  諸手をあげて喜びかけた俺の動きが止まった。  だとしたら。  だとしたら、あいつが誰か、なんてのはもう誰に聞いてもわかるわけはなく。つまり探すのは非常に困難になるってことじゃないだろうか。 「ああ、確かに」  そう俺が言うと、同時に悪友も腕を組んで唸った。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加