ホワイトチェリー

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ハチの部屋を開けるとブワッと強風でカーテンがものすごい勢いで揺れていた。 ……また窓全開にしたまま寝たんだ。 昨日の洋服だって脱ぎっぱなしで置いてあるし制服も。制服だけはハンガーにかけないと!ってあれだけ言ってるのに。 「ハチ起きて!遅刻だよ、ほらっ!」 私はベッドで寝てるハチの布団を剥ぎ取った。 寒いのか「うぅ」と唸ってはいるけど起きる気配はない。 「ハチ!ねぇ起きてってば!」 今度は肩を揺さぶるとハチは寝ぼけたまま右手を私の首に回してきた。耳元でハチの寝息が聞こえる中、本人は気持ちよさそうにまだ寝ている。 もう、また猫のミーコと間違ってる。 前は振りほどくの簡単だったのに中学2年の夏辺りからハチの方が力が強くなって振りほどけなくなった。 今なんて抵抗してもビクともしない。 私は冷静に空いてる左手で持ってきたお弁当を手に持った。そしてその匂いをハチに嗅がせる。 「ハチご飯だよ~ハチ~」 まるで犬のように扱うとハチは「俺の肉巻きっ!!」と叫びながら目を覚ました。 これがいつもの私たちの朝。
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