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秋に差し掛かる頃、週に一度のデートを1ヵ月に1回にしてほしいと彼女に伝えました。隣に座る彼女の返事がとても遅くて戸惑いましたが、彼女はいいよと言ってくれました。 いいよと言った、だけでした。
僕の誕生日の前日、クリスマスまで彼女は僕のことを、ストーカーしていたようでした。浮気だと睨んだようですが、中々しっぽを出さない僕にもっと不安になった彼女は、僕を殺して自分のものにしようと計画したようです。
当日、僕は彼女の家に着いてすぐに後頭部を殴られました。朦朧とした意識でしたが、僕は説得を試みました。どうしても、まだ彼女もわかってくれるのではないかと希望を抱いていたからです。僕には、やっぱり考えらません、この先の長い幸せと引き換えに今の心を満たしてしまいたい、なんて。
僕の説得に、無言で首を振ったナイフを片手に握る彼女は、僕のみぞおちを刺しました。それから、彼女は僕に馬乗りになりながら言いました。
「この先の永遠の不安を消して、私を永遠に幸せにする。それがあなたの死ぬ理由」
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