「それが貴方の死ぬ理由」

3/5
前へ
/5ページ
次へ
 秋学期が始まった次の日、10月2日。これはよく覚えているのですが、彼女と二人でバイキングに出かけました。彼女の肩出しニットに、どこに目をやればいいか戸惑ったことはいい思い出です。ですが、そのあとのレジの女性定員にお金を渡す際、手が触れ合ったことを指摘されたことは、嫌な思い出です。それでも、寂しそうな彼女を見ると仕方ないと思ってしまい……。  僕のほうが、仕方ないやつだと思います。  それからも、何度か似たようなことがありました。12月には、自分の女友達と僕が出かけた日と場所が同じだと言ってきたり、僕の家の近所のコンビ二定員が女性であることが多いと言い出してコンビ二の利用を控えて欲しいと言われたり、とにかく彼女は好きであることを理由に僕を縛りました。  その時に、嫌になればまだ生きていられたかもしれませんが、僕はそれでも彼女が好きで、嫌になんてならなかったのです。  彼女は、どんどん疑いやすくなっていきました。僕を以前より、頻繁に疑うようになったのです。愛を確かめるような行為もされました、何度も好きかどうかを聞かれました。  それが、彼女の元々の僕にとっては悪いところであると気づくまで、とても時間がかかりました。僕が彼女を不安にさせているのだと、考えていました。     
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加