幸せ者の定義

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「ルイス、ご飯ができたわ!」 「…ん……」 まだ寝惚けているであろう脳みそを動かす様に頭を軽く叩くと、視界が少し広がった。 …眠い。 そう思いながらも彼女の作るご飯は楽しみで。 今朝はエピテと目玉焼きのようだ。 エピテはアーモンドを砕いたものとキャラメルソースがかかっている、この地では人気の丸い菓子パン。 おれも好きだけど、流石に朝からは…ちょっと。 「…朝からエピテを食べるのかキミは」 「朝はエピテよ」 ふふん、と笑った彼女も椅子に座る。 「「いただきます」」 料理の仕方は豪快でも流石お嬢様、食べる仕草は優雅だ。 ………………………………………。 「…ルイス、そう言えば…あなたはどうして刑務所に?」 「…今は話すべき事じゃァない」 「そう…」 不安そうに新緑色の大きな瞳が揺れる。 視界の端で揺らめく自分の黒髪が邪魔で耳に掛ける。 「…オレが、あそこに居たのは…」 「ルイス?」 「………やっぱり、…なんでも、ない」 「そう。…話したい時に話せばいいのよ。」 彼女はそう言って、スープを作りにキッチンへ消えていった。
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