最終話

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中学生の時のつるぎはいじめられっ子で、私は彼を助けていた救世主のような存在だった――自分で言うのも少し恥ずかしいが。 乙女はか弱いなんて誰が言ったんですか? 私はそう思っていた。 乙女であろうと、強くあるべきと。 でも今は、逆に私は彼の救世主だ。 乙女だからこそ、か弱くてもいい。 そう思わせてくれたのだ、つるぎは。 私は、彼のおかげで肩の荷が一気に降りた気がした。 「……ありがとう、つるぎ」 ふたりはあの時のように笑い合い、そして――。 ふたりは、どちらからともなく強く抱きしめあった。
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