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第0話 出会い
乙女はか弱くあれ。
こんな事、誰が決めつけたのだろうか。
「またアンタらかぁぁぁっ!弱いものいじめなんて恥ずかしくないの!?」
「ギャー!裏番長が来たぞ!逃げろ逃げろー!」
裏番長。
恥ずかしながら、私の事だ。
両親が警察官のため、他者より強い正義感を持つ私、都代宮 こより。
いじめられている人を見かけたら助ける。
いじめている人を見かけたら応戦する。
なまじ強いものだから、いじめっ子グループからは「裏番長」と恐れられていた。
そして、ある日。
私は出会った。
いつものようにいじめっ子を撃退した時の事。
「……あ、ありがとう、ございます。いつも、俺を助けてくれて」
そう言って儚く柔らかな……さながら、春の陽気にあてられたかのような笑みを見せた地味なメガネの、ひとつ年下の男子に胸を撃ち抜かれた。
そして――。
「守ってあげなくちゃ、あの子の笑顔!」
齢14、中学2年生の夏。
私、都代宮 こよりは、運命の出会いをしたのであった――。
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