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何で、私の名前を知っているの?
恐る恐る恩人を見上げると――
「……何故、やり返さないんですか、貴女らしくもない……」
今にも泣きそうな顔をしている、かつて地味メガネで可愛かった――メガネはもうしておらず、いかにもキラキラオーラを纏った佐藤つるぎ――がいた。
「……なん、で?」
「なんでこの学校にいるか、ですか?それとも、なんでこんなに強いか、ですか?」
「両方よ……っ、なんで、なんで……っ!?」
「……えっと、この学校にいるのは、貴女から高校の名前を聞いていたので。なんでこんなに強いかというのは、貴女が卒業した後、修行したからです。今度は俺が貴女を守れるようにと……まぁ、実際にこの力が必要になるとは思ってませんでしたけど」
……なんてことだ。
地味メガネが、こんなにイケメンになって帰ってきた。
しかも、私を助けてくれた。
「……貴女は貴女らしく、うるさくしてればいいんです。貴女が静かにしていると、落ち着きません」
うっすらと頬を染めながら言う佐藤つるぎは、いくらカッコよくなっても以前のままで、可愛らしさが僅かに残っていた。
あぁ、私が胸を撃ち抜かれたあの時のままだ。
いや、違うか、あの時よりも格段にカッコいい。
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