●少女はいつもロンサムアイズ

2/11
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
 立井須カンナが車に撥ねられて死んだ。  昨日の夜中だか、明け方のことらしい。私はその事を友達の一人、のりぃんから聞いた。  立井須カンナのことは、派手めの見た目で、明るい茶色のショートヘアのコ、性格もぱっと見、奔放そうで、実際言い寄る男はかなりいた、くらいの印象しかないけど、家が隣の隣だったから、よく出くわすは出くわしてた。こどもの時からお互いを意識しつつも、向こうもこっちも無視していた存在。それだけに聞かされた時も、どうリアクションを取っていいか分からなかったわけで。 深夜の国道で、大型トラックの前に身を投げ出した、そうだ。異世界に転生しようとでも思ったのだろうか。  いや不謹慎不謹慎、と思い返すも、それ以上の興味は沸かないはずだった。「事故」のいきさつと一緒に、のりぃんから気になることを聞いたのは、さらにその翌朝のことだ。  秋に入っても、最近はどうも暑い日が続く。寒がりの私にはありがたいのだけれど、でも暑いのも苦手だったりするわけで、それでも朝早くは、少しはひんやりとした空気が体の周りを取り巻くようで、心地よくて気分も良くなる。  通学ラッシュに巻き込まれるのは本当に嫌なので、私はいつもかなり早めの時間に通学路をひとりゆったりと歩く。周りの人たちは仲良くグループで登校したりしてるけど、私は基本、ひとりが好き。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!