●少女はいつもロンサムアイズ

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 教室に入ると、窓際のいちばん前の席にはいつもの突っ伏した背中。私は殊更に大きな声を出しながら、一緒にごはん食べるだけの友達の輪の中に入っていく。 「もねりーん、どしたの? 今日テンションあげてるけど」  ショートヘアの何とかってコが負けじと声を張り上げてくれる。ヤツの背中がぴくりと動いた。私はよく通るね、って言われる高い声でそれに応える。 「あそだ。……もねりん聞いた? のりのりんが……」 「ちょっとぉ、やめなさいって」  ショートのコの言葉を遮って、ボブのコが目くばせしながら割って入る。あ、私に気ぃ使ってくれてんだ、みたいに少しほっこりするけど、今は韮瀬の気を引くことだけ考えないと。 「……とにかくさぁ、もねりんも気をつけてね。何か、すっげぇ変なヤローの仕業って感じがあたしにはするからさぁ」  ちょっと直球すぎー。うしろうしろー、うしろにそいついるからー、と私はショートのコの発言に少し白目になりながらも、視界の隅で、韮瀬が汚い長髪の隙間からこちらを伺っているのを認識している。  喰いつい……たかな。反応薄いからわからんけど。
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