遅れて来た友

1/4
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

遅れて来た友

先日、合コンをした。 会社の同期に、あやかという子がいて、けっこう仲がいい。おたがいに友人を三人ずつ呼んで集まろうという話になった。 あやかと仕事のぐちを言いあいながら飲みに行く、いつもの居酒屋に集まった。 おれは大学時代の友人を、あやかは高校時代の友人を呼んだ。 七時と約束していたのに、おれの友人Dが、十五分をすぎても来ない。しかたないので、さきにオーダーを始めた。 あやかのつれてきた友達のなかに、一人、ものすごい美人がいた。長い黒髪。大きな黒い目。細面で端整で、振袖が似合うタイプの和風の美女だ。 芸能人でも、このくらいキレイな子は、なかなかいない。 おれたちは、のぼせあがった。 舞いあがって、自分で何をしゃべってるんだか、よくわからない。 楽しくて、あっというまに時間はすぎていった。 おかげで、すっかり、Dのことを忘れていた。 今日はなんだか、やけに、おれがモテるなと思えば、そうだ。Dがいないからだ。 Dは、顔は普通だ。まあ、並よりはいい。 なのに、なんでか、こういう場では、やけに人気がある。きさくで話しやすく、女の子に言わせると“優しい”らしい。 それに話題が豊富で、場を盛りあげるのが、とてもウマイ。     
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!