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いつものように家に居ると、誰かが訪ねてきた。
「逮捕だ!」
そこには役人がいて、私を縄で縛った。
私が一体何をやったと言うのか?
それから裁判にかけられたけど、何度聞いても応えてもらえなかった。
「判決、被告人を死刑に処す!」
ついに一方的に刑を決められた。
それから何日経ったか分からない。
一年以上あったかもしれないが、数日だったかもしれない。
私は朝から処刑台に連れて行かれた。
「お願いです。死ぬ前に一つだけ教えてください」
「何だよ!?」
「私は一体どんな罪を犯したと言うのでしょうか?」
「そんなこと、これから死ぬ奴に言う必要など無い!」
「遅くなりました」
ちょうどそのとき、まだ幼い顔をした男が手押し車にラップや精肉用のトレイを大量に積んでやってきた。
「あのさあ、これから悪人を始末して、今日中に肉にできるわけがないからさあ。しばらくして、死後硬直が治まってからだと言ったはずだよ」
やっと全てが分かった。
なのに、できることはもう何もない。
こうして私は死んだ。
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