第1章 1.森の中から

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しばらく歩くと、そこには小川が流れていた。 澄んだ水が、森の木々の隙間から差し込む光でキラキラと輝く。 ミーナは手で水をすくい、顔を洗うと、そのままごくごくと水を飲み干した。 「はぁ…」 ミーナは上を見上げた。 木の葉の隙間から青空が見える。 (とにかく、だれか人を探さないと。) そして、ふと胸元に手をやった。 触れたのは小さな楕円形のペンダント。 ピンクの色味を帯びたゴールドのチャームだ。 「これ…。」 (小さい頃からずっと付けてた…。でも…) 理由も、誰からもらったのかも思い出せずに、ミーナはまたため息をついた。 何かの紋章が刻まれているが、その意味ももちろん思い出せない。 すると突然、 『ガサガサ、ガサガサ。』 ミーナの背後から物音がしてきた。 音はどんどん近づいてくる。 「だ…だれ!?」 ミーナが恐る恐る振り返ると、現れたのは大きな動物だった。 枝のような大きな角。茶色く短い毛。 しかし黒くつぶらな目はどこか愛らしさを感じる。 「見たことない動物!かわいい!おいで…!」 ミーナが優しく撫でると、動物はミーナの匂いを何度も嗅いだ。
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