○あらすじ

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○あらすじ

 ――ひとりは、本物の桃太郎を目指すため。ひとりは、桃太郎の力を取り戻すために。  日本と似て非なる国ZIPパング(ジッパング)。ここは人間と妖怪の世界が混在する場所。   かつてこの国の民は、妖怪の中でも人間たちと険悪だった種族・鬼たちを仲間にし、共に鉄工業を栄えさせた。「ものづくり大国」とまで言われていたが、世界的な技術革新によりその事業は徐々に衰退。今、国の経済を回すのは観光業とサブカルチャーだけになってしまった。  政府はその観光業を活性化し外国人の足を多くするため、主要な都市には派手な城や五重塔を大量に建造。遊郭、カブキなどの娯楽も幾つも乱立され、まさに「遊びの国」と化していった。「ものづくり」に命を賭けていた鬼たちは、ジッパングの民の堕落具合に辟易。現在では人間と鬼の関係は再び険悪なムードになりつつあった。さらに、そんなジッパングを占領下にしてしまおうと、海の向こうの異国「アルドラード」が戦争を仕掛けてくる。  そんな動乱の世で鬼と人間の間に生まれた男、百ノ城壱太郎。舞台「桃太郎」の主役・桃太郎に憧れる殺陣師である。彼の運命は、呪いによって女になってしまった「桃太郎」の称号を持つ剣豪・鶴来夜左衛門=モモコと出会ったことで、大きく動き出す。  戦どころか、喧嘩もロクに勝つことができない壱太郎に対し、モモコは彼の才能を認め、自分と一緒にジッパングを救ってほしいと依頼する。戸惑う壱太郎だったが、「自分の父である鬼と、母である人間が争う世の中にはしたくない」という思いから、桃太郎を目指す決意を固める。  次々と襲い来るのは、魔物を操る異国の魔女・リディ、ジッパング支配を企むアルドラードのトップたち、そして、人間たちを消し「鬼の世」にしようと企む鬼族の長・鬼ヶ島纏。彼らの陰謀を打ち砕くため、壱太郎はモモコより託された妖刀・喰霊刀を操り、真の「桃太郎」を目指すための戦いへ! 摩訶不思議な二人の桃太郎による冒険活劇の、はじまり、はじまり!
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