第一幕「二人のモモタロウ!」

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面接官B「そうそう。『桃太郎』ってどういう話かわかってる? お・に・た・い・じ」   壱太郎、ガタッと立ち上がる。 壱太郎「違う! それは古い解釈だ!」 面接官A「おい、なんだ?」 壱太郎「桃太郎は、この国の争いを鎮めた英雄だ! 一から解説してやる。まずは……」   ドン引く面接官たち。 6 オエドせれもにぃ~会場・広場(数日後)   壱太郎とその友人・田所俊太(18)、テーブルとイスを運ぶ。   会場のあちこちで人々が協力して設営中。   『オエドせれもにぃ~』の看板がいたるところに設置されている。 俊太「それでまんまと落とされたわけだ。まぁそんな盾突いたらなぁ……」 壱太郎「角が生えてるだけで桃太郎役ができないなんて不公平だろ。桃太郎は等しく、み  んなのヒーローなんだ」 俊太「鬼への差別が薄まってきても、こんなところでまだ弊害があるとはなぁ」 壱太郎「まぁでも、オレはまだ諦めてないからな!」 俊太「(呆れ)壱太郎が『モモタロウ』になれる日は果たしてやってくるのかねぇ」   すると、遠くから怒鳴り声が。 俊太「やっべ、監督にどやされる。急ごうぜ」 壱太郎「お、おう!」   壱太郎たち、駆け足でパネルを運ぶ。   その様子を見つめる、白い着物の女。 着物の女「次はあのコにしようかしら」     
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