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面接官B「そうそう。『桃太郎』ってどういう話かわかってる? お・に・た・い・じ」
壱太郎、ガタッと立ち上がる。
壱太郎「違う! それは古い解釈だ!」
面接官A「おい、なんだ?」
壱太郎「桃太郎は、この国の争いを鎮めた英雄だ! 一から解説してやる。まずは……」
ドン引く面接官たち。
6 オエドせれもにぃ~会場・広場(数日後)
壱太郎とその友人・田所俊太(18)、テーブルとイスを運ぶ。
会場のあちこちで人々が協力して設営中。
『オエドせれもにぃ~』の看板がいたるところに設置されている。
俊太「それでまんまと落とされたわけだ。まぁそんな盾突いたらなぁ……」
壱太郎「角が生えてるだけで桃太郎役ができないなんて不公平だろ。桃太郎は等しく、み
んなのヒーローなんだ」
俊太「鬼への差別が薄まってきても、こんなところでまだ弊害があるとはなぁ」
壱太郎「まぁでも、オレはまだ諦めてないからな!」
俊太「(呆れ)壱太郎が『モモタロウ』になれる日は果たしてやってくるのかねぇ」
すると、遠くから怒鳴り声が。
俊太「やっべ、監督にどやされる。急ごうぜ」
壱太郎「お、おう!」
壱太郎たち、駆け足でパネルを運ぶ。
その様子を見つめる、白い着物の女。
着物の女「次はあのコにしようかしら」
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