0人が本棚に入れています
本棚に追加
その長い舌で、舌なめずり。
7 船着場
多くの船が到着し、乗客が降りてくる。
その中でも、大量の荷物と、黒スーツにサングラスの男たちに囲まれているアリス・山田・グリッドバーグ(17)とその父カルロス(47)が目立っている。
アリス「お父様、ここがジッパングですか。ジメジメして気色悪い風ですね」
カルロス「まぁそう言うな、アリス。ここは『遊びの国』だ。きっと楽しい事がたくさん
待ってる。ハナビとオンセンはお前も気に入るはずだぞ」
アリス「(呟き)……お父様はなんで、こんな国の女と」
それを遠巻きに見ているのは、とんがり帽子に妖しげな装束を着た魔女・リディアーヌ・ラ・リューヌ(以下リディ)。
傍らにはカラスに似た遣い魔・チャコールが飛んでいる。
リディ「何あれ。どっかの令嬢? なんか腹立つな~」
チャコール「嫉妬してる場合じゃないですよ。この国に来た目的を忘れないでください、
リディ様」
リディ「はいはい。確か、モモタロー? 退治でしょ。どこにいるか調べて、チャコ」
チャコール「え~知りませんよ。なんで下調べしてないんですかぁ」
リディ「はぁ? だってめんどくさ……」
突如、突風が吹いてリディの帽子が海へ落ちてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!