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はるか昔とある惑星の大陸にて。
資源の採掘権に端を発し、20年余り続いた隣国リドヴェルデ共和国との戦争も1年前の休戦調停締結により終息し、再び平和が戻りつつあるハイムスヴェルド帝国。
軍事用に開発された魔動人形であるククラは戦時中から戦地以外でも活躍していたが、ある時期から人形が暴走する事故が発生するようになり、危害を加えられないはずの人間を巻き込むことも増えたため、暴走したり逃走するククラを追跡、捕獲あるいは破壊する専門の部隊であるベナトル追跡隊が創設されるに至る。
そのベナトルに所属する元騎士のフィウ・キスラニのもとに、調査官を名乗る男がある任務を依頼するため訪れる。
ベナトルでフィウの上官であったバティクを探し出すという任務は、リドヴェルデ領土内に潜入する必要があるため極秘扱いであった。
ククラを憎んでいたはずのバティクが、ククラを連れてかつての敵国に潜伏していることに疑問を感じたフィウは任務を請け負うことにする。
同行者の魔動士見習いチャウイ、かつての戦友であるルクとともに隣国を目指す一行。
(以上第一章)
道中のトラブルや襲撃を乗り越え、リドヴェルデ領土内にあるケルレット特別自治区への潜入も何とか成功し、同行者も増えながら障害を排除しつつ辿り着いた密林の奥地にある遺跡にてようやくバティクと再会するフィウ。
そこは逃走した多数のククラが身を寄せる「ククラの王国」でもあった。
フィウが問いかけたこれまでの疑問がバティクの説明により氷解したとき、恐るべき陰謀が導き出される。(以上第二章)
帝国内で密かに進行していた陰謀に気付いたフィウたちは、ククラを率いるバティクたちと帝国を目指す。
しかし、帝国ではリドヴェルデから侵攻してくるバティクたちの動きを察知し、フィウたちも含め反乱者として殺害するよう指令が下されていた。
果たして彼らは無事に帝都に辿り着き、陰謀を阻止することができるのだろうか。
(以上第三章)
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