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マスター「行き詰ったときは、気分転換が一番の近道ですよ。これ食べて頭を気分転換させなさい。」
と、桜母の前にナポリタン、サンドイッチ定食――枩葉、サンドイッチ定食、フーラの前にオムライスが置かれる――はじめてのオムライスに目を輝かせるフーラ。
桜母 「待ってました! いただきます。」
フーラ 「い、いただきます……」
と、桜母の真似をして手を合わせる――オムライスを口に運ぶ。
フーラ 「おいしい、卵とトマトってこんなに合うんだ……!」
桜母 「ん~。相変わらずマスターの作る料理は美味しいっす。」
美味しさに声を漏らしながら食べ続ける二人。
マスター「話は聞こえたが、坂井君、なかなか面倒なことに巻き込まれているようだね。できることなら何でも協力するから、そのときは何でも言いまえ。」
枩葉 「はい、ありがとうございます。」
マスター「ああそれと、坂井君。そこの御嬢さんのことなんだが……」
別の席から注文の声がかかる。
枩葉 「はい。彼女、フーラのことですか?」
マスター「いや、また今度でいいや。気にしないでくれ。」
と、呼ばれた席へと向かう――その後ろ姿を見つめる枩葉。
枩葉M 「相変わらずクールでかっけえな……でも、何だったんだろうか。マスターが話そうとしていたことって?」
× × ×
喫茶店を出た三人――交番に向けて歩き出す。
桜母 「いやーお腹いっぱい、満足っす。」
フーラ 「美味しかった……」
満足そうにお腹を摩る二人――二人を見て溜息をつく枩葉。
枩葉 「まさか俺のおごりだなんて……」
桜母 「いいじゃないっすか。先輩とご飯行っても、ちっとも奢ってくれないっすからたまには、ってことで。」
フーラ 「なんか、貧乏くさい。」
枩葉 「それを言うならさくらさんの方がもっと……」
ゆっくりと話をしながら歩いて行く三人――その後方、三人を望遠鏡から監視する男A 。
男A 「おいおい、せっかく見つけたと思ったら察と一緒じゃねえかよ。どうするよ、あれ? 殺っちまうか。」
男B 「……早まるな。俺に考えがある、任せろ。」
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