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途端、破裂する風船――フーラ・桜母、声を上げて驚く。
枩葉 「風船が割れる音がしましたけど、さくらさん割ったんですか?」
桜母 「いや勝手に割れたんですよ。今日貰ったばっかなのにもったいない、っす、よ。」
眠気に襲われ眠ってしまう桜母――隣ではフーラも眠っている――眠っているフーラに迫りくる男たち――枩葉、皿洗いに気を取られ気づかない。
桜母 「さくらんぼいうなぁ!さくらってよばんか……」
と、寝言を言いだす――枩葉、驚き様子を見に来る。
枩葉 「寝てるんです、か……」
休憩スペースには爆睡する桜母とフーラを抱える男Aの姿。
枩葉 「あ……」
男A 「あ……」
お互い静止する――逃走を図る男A。
枩葉 「逃がすか!」
咄嗟に皿を投げる枩葉――皿は天井に吊り下げられたメロンへ――メロン、皿が当たった衝撃で落下する――落下したメロン、男Aの頭部に直撃。
男A 「嘘、だろ……」
気を失いその場に崩れる男A――枩葉、フーラの側に駆けよる。
枩葉 「フーラ! 大丈夫か、フーラ!」
フーラ 「――」
寝息を立てているフーラ――安心した様子の枩葉。
枩葉 「まったく、大した玉だな、お前。」
〇交番(翌日 朝6時前)
フーラ・桜母、掛け布団を羽織って寝ている――座ったままで寝ている枩葉。
フーラ 「……ん?」
枩葉 「お、起きたのか? 早起きだなぁ。」
と、あくびをする。
枩葉 「それに比べて、この人は。」
布団を蹴飛ばし、へそを出して寝てる桜母――もう一つあくびをする枩葉。
フーラ 「まだ、眠たいの……?」
枩葉 「ああ、昨日結構遅くまで寝てたからな。だから、もうちょっと寝せてもらってもいいか?」
フーラ 「……私も寝る。」
再び寝転がるフーラ――枩葉、座ったまま目を閉じる。
フーラ 「ねえ、これ。」
自分の布団を差し出すフーラ。
枩葉 「いいのか?」
フーラ、頷く。
枩葉 「そっか、ありがとう。」
と布団を受け取り、眠りにつく。
フーラ 「……こちらこそ、助けてくれてありがとう。」
と呟き瞼を閉じる。
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