会いたくなかった

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 真帆は顔を赤らめ、唇を尖らせて、言った。 「そういのじゃなくって、その興味があって。彼氏とも最近、別れたし……」  別れた? 私より男を選んでおいて別れたですか!? ……胸中に一瞬思ってムッとしたが、それとは言わず、あくまで冷静に、冷徹に、営業スマイルで。 「ふーん。やれやれ、所詮、高校時代延長の恋愛なんてその程度よのう」  これでは冷徹というより、単なる嫌なやつだな。ふん。でも、これで、凹めばいいさ。 「高校? なぎ……いや、イサミ、いつの話してんの? そんなのとっくに別れてるよ。今言ったのは……って、どうしたの?」  凹んだのは私の方だった。とっくに? 五年前よ? 私がピュア過ぎるの? 純愛脳なの? じゃあ、真帆は何人と付き合ったの?  このままでは私のメンタルが持たないと思い、話題を方向転換することにした。 「ややこしいから渚で良いよ。ところで、苗字……は訊かない方がいっか」  苗字と言った瞬間に真帆の表情が雨でも降り出さんばかりに曇り出したので、即座にやめることにした。さすがに……ね。  私はため息を一回つき、時間が過ぎる前に服を脱ぎ始めた。  真帆は私が脱ぎだした理由が思いつかなかったようだ。 「な、なんで脱ぐの!?」     
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