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私の下で真帆がひとり言のように呟いた。
バスローブに手を入れ、彼女の胸の頂を触れたとき、彼女はビクッと身体を震わせた。
「渚……上手いね」
一瞬、手が止まりそうになった。誰と比べて上手いのだろう。私は誰と比較されているのだろう。
そんなことを考えそうになるのを振り払うかのように、バスローブを脱がせた。
薄暗く見える一糸まとわぬ彼女の身体が愛おしいと思う反面、憎らしいと思えた。
ああ。……どうしてこんなに綺麗なんだ。
白くて細くて、女の私が抱いても折れそうな錯覚を引き起こす。
女だから彼女に触れられなかった。女だから触れられた。
「渚だけ着てるのズルいよ」
気が付くと真帆は状態を起こし、私のバスローブを脱がせていた。
「ごめん」
私の背中に手が回され、真帆は耳元で囁いた。
「ねえ。続き……して」
私は無言で頷き、誰にも渡さないとばかりに彼女を抱きしめた。
肌と肌が直接触れ合う。くすぐったくも心地いい感触。
今、このときだけは、私のことだけを考えていて欲しい。
「ああ。真帆……」
好きだ。大好きだ。心の中で何度も叫んだ。
真帆の唇からも愛おしげな吐息と声が洩れる。
さっきまでの緊張がお互い興奮に変わっていた。
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