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俺は封筒を見て、中を開けた。
その封筒の内側に高木のSNSのアカウントが小さな文字で書いてあった。
「数学も英語も成績なんて悪くても生きていけるけどさ、女心分からない男は生きていけないよ」
姉貴はそう言い放つとテレビを消した。
「さあ、お姉さまはバイトに行く時間なんで、女心の分かっていない馬鹿な弟は放置します」
そう言うと微笑んでリビングを出て行った。
その姉貴の姿を見送って、俺はその封筒の内側を覗き込むように見た。
どうやってこんなところに書くんだよ…。
俺はその封筒を破かないように開いて、内側に書いてあるアカウントを見た。
そしてポケットからスマホを取り出してそのアカウントを入力しようと画面を開いた。
待てよ…。好きなモノの返事、先に考えなきゃな…。
俺は立ち上がってリビングを出た。
そこに着替えた姉貴が腕を組んで立っていた。
「あんた、まさか「先輩の好きなモノ」ってのを今から考えようとしてるんじゃないでしょうね…」
鋭い姉貴の読みに俺は多分たじろいでいた。
「私も、スターウォーズ好きなんですぅ。良かったら今度一緒に観に行きましょうよぉ」
姉貴はニコニコしながら言うと、表情を一変させた。
「そんなにスターウォーズ好きな女子なんていないのよ。そんなモノはデートする口実よ口実」
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