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「だけどこんな大群のゴブリンが、どうしてあたしたちを襲ったのかい?」
「さぁ……分からないですけど、今はこの森から出ましょうか」
二人は疑問に思ったがそんな考えとはよそに歩みを進めたのだった。
ダルクネスフォレストを歩いてさらに3時間、二人は街に出た。目的地のイモータリティシティだ。空は赤く染まっている。森林の中では気付かなかったが、その外に出れば空をさえぎるものはなく、夕方になっていたのは一目瞭然だ。
「レイラさんはこれから街に何しに行くんですか?」
「あたしかい? あたしはこの星の外に出る手段を探していてね。その目的地のひとつがあのイモータリティシティさ。そこでうちの地域とは違う魔法が使われていると知って、それを……あぁ、何だっけ。それからのことは考えてなかったけど、とにかく習得したり、魔法をかけてもらったりするんだよ」
「なんというか、レイラさんらしい答えですね」
それを聞いてレイラは口をへの字に曲げて返した。
「どういう意味さ!?」
「いえ、お気になさらず」
マリーは少し慌てた後に冷静さを取り戻す。
「歴史の本によると、星の外に出るためにあの街の人たちはある魔法を体に施したそうなんだよ。その魔法の内容についてはまだ知らないけど、なんでも街では不老不死の研究を行っているらしい。それと関係あるんじゃないのか?」
「もしかしたら、星の外に出ても過ごせるようにする魔法かも。星の外では、人は生身で生きられずに死んでしまうと聞いたことがありました」
「どうりで星の外に出たやつらが帰ってこないわけだ……」
レイラは右手の親指と人差し指を直角に開き、それをあごに当てて推測した。
「ところで、マリーはどうすんのさ? こっちについて来ちゃっていいの?」
レイラの質問にマリーは落ち着いて答えてみせた。
「私はレイラさんと一緒に旅がしたいんです。まだまだ修行のみですし。一緒に旅をすれば、何か見つかるかなぁと思って」
その答えにレイラは納得した。
「そうか。じゃぁ、まずは街に行くよ!」
「はい!」
二人は歩みを進め、街に入っていくのであった。
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