新世界物語

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 老人はマリーの言葉を補足するように説明した。 「そうじゃ。魔力は弱すぎてもいかんが、逆に強すぎてもだめなのじゃ。強すぎる魔力は魔法を発散させてしまう。この魔法は、オーラがギリギリ見えなくなるまで弱めることが必要なのじゃ」 「なるほどね、それじゃぁつじつまが合うわけだ」  レイラは感心した 「どうじゃ? もう一度やってみるか?」 「あぁ、やってやる! マリーが1日ならあたしは3日でも1週間でも何ヶ月でも持ってやる!」 「ふぉっふぉっふぉ! その意気じゃ」  老人に魔法を施され、レイラは力強く歩いて再びガラス管に向かうと、今度は扉の前で深呼吸して左手の平に右人差し指で人の字を書き、それを飲み込んだ。 「よし……やるぞ」  老人は、ガラス管の中に入ったレイラから先ほどの力んだ状態を感じなかった。代わりに感じたのは精神から来る静けさだった。 「がさつそうに見えて、案外落ち着くことも分かっているようじゃな」  それから2週間が過ぎていった。
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