新世界物語

6/32
前へ
/32ページ
次へ
 それから3年が経った。  女戦士は今、家の前にある木でできた十字架の墓の前に立っている。愛すべき弟、パンクの墓だった。7歳も年が離れていた愛弟との日々を思い浮かべたあと、女戦士は白い花の束を置いた。 「それじゃぁ、行って来るよ。パンク。あんたの見たかった世界をあたしが代わりに見るから」  女戦士レイラ・モートン、20歳。これから彼女の旅が始まろうとしていた。背中には皮の鞄と、身の丈の半分ほどの片手剣が背負われていた。レイラは墓を後にすると、草原の方へ出て行くのであった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加