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三人はわいのわいのとしながらもそれぞれ座って落ち着き、お弁当の包みを開いていった。
…………若いもんはええのう。
「おい、顔がじじいになってんぞ」
「それ、他に言い方ありますよね」
本当に口が悪いなぁ……。
「……孫を見守るじじい?」
「訂正して悪化しますか」
なんて大惨事だろう。
この人……僕をツッコミ疲れさせるつもりじゃなかろうか。
「…………らぶちゃん先生と神崎さんて仲良いよね。付き合ってるの?」
僕から一番遠くに座ったメガネの子──小野寺寧子が何気なくそんなことを訊いてきた。
「ちょっ、寧子ってば直球!」
僕の隣に座った雲野真白が慌てる。
「寧子ちゃん、気になること直ぐに聞いちゃうよね……」
二人に挟まれた真ん中で晴宮文が呆れたように言う。
「え……二人とも気にならない?」
小野寺は雲野と晴宮の二人を見た。
「や、まぁ……」
「気にはなるけどさ……」
三人は一拍置いてから、そろって僕を見た。
好奇心に満ちた目だ。
「付き合ってないよ」
僕は否定する。
「え、そうなの?」
神崎さんがとぼけた。
「…………………………」
…………そういうこと言うとどうなるか分かっててやってるよねこの人。
あぁ……ほら、もう……女子生徒が色めき立っちゃったよ……視線が眩しい……っていうか刺さって痛い。
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