4人が本棚に入れています
本棚に追加
2
……今日は穏やかな一日だったな……。
教材を抱え、社会科教員室へと向かうそのルート上にある階段を降りながら本日を振り返る。
いつもなら日に一回は見つかって絡まれているのが、今日は取っ捕まることなく今(放課後)を迎えている。迎えることができている。
「…………」
何かあったんだろうか。
心配……するわけではないけれど。
いつもあるものがない、というのはどうも変な感じがする。
なんだろう……つまらないっていうの?
いや、違うな……面白くないっていうか?
いやいや違うな……楽しくないって感じか?
と、そこで気付く。
本当に彼女──神崎さんは何の為に学校にいるんだろうか?
肩書きは無いにしろ、学校に居るのには理由があるはずだから…………ん、もしかしたら今日彼女に絡まれることがないのは、その理由で……つまりは仕事をしているから、なのか……?
「…………にしても気になるよなぁ…………」
神崎さん、本当に何なのだろう。
何をする人なんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!