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わざわざ授業が分からなかったふりをしなくても、おしゃべりは出来るのに。
「小金餅先生、その、質問してきたのは女子生徒が主だったんじゃないかな?」
「う……ん……」
言われてつい先程のことを思い返してみる。
終業の鐘がなってすぐに僕のところへきたのは……この間お昼を一緒に食べた晴宮文と小野寺寧子。それから彼女らが離れてすぐに柴崎美雨と篠村ゆずきの二人が来て……そのあとに朴龍斗という男子生徒が一人来た。
……おう。見事に女子生徒が多い……。
「あぁ……はい……そうですね……」
「だろう? 女子生徒は気恥ずかしさもあるのか、そういう口実を使ってコミュニケーションを取ろうとする傾向があるんだよ」
なるほど。
そうなのか。
ん。
だがしかし。
「うーん、そうだとしても……やはり僕自体に……僕個人に、人気者があるというよりも、新しく入ってきた先生ってことで好奇心を向けているだけだと思いますが……」
よくあることである。
「まぁ、それもあるだろうが……中にはそれだけではないこともあるから──気を付けないと」
苦笑いをして、氷室先生は言う。
? 気を付けないと?
僕がその言葉の意味を図りかねて首を傾げていると、氷室先生は少し困ったような表情になり、
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