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「……対応を間違えると良からぬことになるということだよ」  と、諭してくれた。  あぁ。ありがちなあれか。 「恋愛に発展してしまうってことですね」  禁断の恋愛。  教師と生徒の恋。 「──僕、それに関してちょっと思うところがあるんですよね」  よく、小説の題材とかに使われるけれど。 「本当にそれって禁断の恋、なんですかね?」 「……………………」  ん? あれ?  氷室先生が黙ってしまったぞ? 「氷室先生?」 「…………小金餅先生…………それはどういった見解なのかな?」 「あ、いや、その、何と言うか……僕は別に禁断と言わなくてもいいと思うんですね、人が人を好きになっただけなのに──やれ体裁が悪いだの世間体が気になるだのガヤガヤ言われる──騒がれるのは理不尽だな、と」  慌てて自分の考えの根拠を説明する。  焦って上手く言えず、なんだか言い訳めいた感じになってしまったが。  ハッ。  待てよ……。  今の説明だと僕自身が生徒に恋してるみたい……? 「小金餅先生、まさか」  ぐっ、氷室先生の疑うような視線が痛い! 「ち、違います、僕は──」  氷室先生の勘違いを正そうと弁解の口を開いたところで、 「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん★」     
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