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「──パンツ見えそうだよ神崎さん」
急に聞こえたそんな声に、僕の脳ミソは十五年前へのタイムスリップを止めた。
……あぶない。
そのまま思い出していたらあの時の感情に、取りつかれて巻きつかれるところだった。
「見えそうってことは見えてねぇってことだろ。はん、アタシの計算じゃー、この体勢でパンツが見えるわけねーのよ」
「そんな計算してたんですか」
罪作りな計算である。
「らぶちゃん先生、ツッコミ早いっ」
「てゆーかクール!」
三人の女子生徒はきゃらきゃらと笑う。
「先生、あたしたちも一緒にココでお弁当食べてもいい?」
その中の一人がお弁当を手に提げて見せる。
「……あー、神崎さんが構わないなら……」
僕はチラリと神崎さんを見た。
神崎さんに誘われて僕はここに居るわけだし、この場の主導権は神崎さんにあると思う。
「ん? おぉ、構わんぜー、アタシが座ってる位置は譲らないけどなー」
僕の視線を受けて、神崎さんはそう応じた。
「やたっ! じゃ、あたしはらぶちゃん先生のとなりっ!」
最初に声をかけてきた子が僕の隣を陣取る。
「あっ、ちょっ! ぬけがけインチキっ!」
「早い者勝ちだもーんねー♪」
「えぇー?」
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