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僕はその言葉を噛みしめて、ベッドの上でガッツポーズを決めた。
「助かった!俺は本当に助かった!社会的に抹殺されてもおかしくないところだったのに!紙一重で助かった!」
手紙はまだ続いた。
「今回のことは二人だけの秘密にしてください。」
もちろんだ、他の誰にもしゃべるものか。しゃべっても僕の得にならない。
「明日からはまたいつものように私に接してください。私もいつものように振舞います。
あの事はなかったんだと、何もなかったんだと、あの時のことは忘れて、田中君もいつもの田中君でいてください。怒ってないから。許すから。いつものように。お願いします。」
中谷裕子は思ったより保守的な女なんだなと手紙を読みながら思った。
彼女はいつもの日常を保つことを心から望んでいるようだった。
僕にレイプされて、そのことに少しショックは受けているようだが、騒ぎ立てる気はなく、以前と同じような生活を過ごしたいと心から願っている。
そのような健気で奥ゆかしい彼女の心に触れて、僕はあの時の彼女とのセックスを思い浮かべて、再びベッドの上でオナニーをした。
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